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Soul Brother
 週一で書くように言われてから一ヶ月が経過して、既に苦戦中です。
 こういうところに何かを書くのは、なかなか難しいものだなぁ。

 悩み事とか書いたらいいのかもしれないな、とちょっと思ってみたけれど…
 悩みがあまりないようです。岸野君にもよくバカにされます。悩み事のない奴だ、と。

 みんなも大好きだと思いますが、
 ビバヒル(「ビバリーヒルズ90210」のことです、もちろん)の中で、
 ドナ・マーティンも、「私、打ち明ける悩み事がないの!」って言ってました。

 ドナ・マーティン。
 彼女にはいつも、ある程度の驚きを覚えながら見入ってしまいます。
 そして、その時にはいつも一つの光景が頭を横切ります。

 それは、暑い夜でした。

 ホームステイ先に、初めて学校でできた日本人の友達を招いた夜。
 スチューデント同士で家を行き来するのは、週末の過ごし方の王道だったのです。
 とはいえ、その友達と2人きりで長時間過ごすのも初めてだし、
 その上、彼女はひどいホームシックにかかっていました。

 その家は、山の中にある静かな家で、私の部屋は庭に面した開けっぴろげな空間で、
 大きすぎるサイズのベッドに、誰がきても一緒に寝させられるのですが、
 並んで天井を見上げながら、彼女はオーストラリアに関する思いつく限りの悪口を
 言っていました。
 日本に彼女が残してきたものや、恋しがっている全てのものについて、
 終わることのない話を繰り返し続ける彼女に、多少げんなりしながら、
 私はひそかに窓の外を見ていました。

 庭の向こうにはケアンズ市街の夜景が広がっているはずですが、
 寝転がったまま見上げても、湿気った雨期の夜空が見えるくらいでした。
 果てしない憤りが蔓延する部屋の中では、救いのように広々とした空でした。
 自分の国を離れた後で、ホームシックというのは一つの厄災のように忍び寄ってくるので、
 私としては釣られたくないので、あまり耳を傾けないように、暗闇の中で何か違うことを
 考えることにしました。

 気づかぬ内につぶやいていました。
 「ビバヒル見たいなぁ」

 彼女は、突然ガバッと跳ね上がるように体を起こして、
 「今、ビバヒル見たいって言った?」と言いました。
 呆気にとられながら、私は頷きました。

 そこから、話は一変し、ビバヒルの話しかしませんでした。

 私はその夜に彼女が訴えたかった、切実な気持を具体的に思い出すことはできません。
 でも、次の一言はよく覚えています。

 「ドナってあいつ、黒人だもん」
 彼女はそう言いました。
 
 言われてみると、ドナ・マーティンには
 アフリカン・アメリカンのソウルがあるような気がしました。
 そうでなければ、あんなキャラクターにはならなかったかもしれません。
 ケリー・テイラー的な女の子は一人で充分なのだから、
 ドナは違うソウルを持っていなければいけないのです。

 そうだな、ドナ。お前は確かにクールなブラザーだぜ、いつだって。
 そしてあの夜、心細さの中で静かに戦っていた、情けない若者を確かに救ってくれたのは
 君の魂なんだぜ。

 サンキュー、ブラザー。
# by hollysplings | 2011-02-02 22:14
メタファーとしての豚まん
 昼休憩、そして昼ごはんーそれはワークタイムにおける、一大イベント。
 学校における給食や昼休みと同じくらい大きな位置を占めているものであることは
みなさんもよくご存知のことでしょう。
 もちろん、それと同じくらい大切なのは、就業時間です。

 職場にも休憩室と呼ばれるものが備わっていますが、私はそこに足を踏み入れたことも
ありません。
 昼休憩というのは、メタファーとしての瞑想のようなものだからです。
 嘘です。

 というわけで、いつも外で何かを食べることになりますが、そこにはちょっとした傾向の
ようなものが自然に生まれます。
 同じところで連日食事をするのもつまらない。でもそんなにバリエーションもない。
 結構悩ましいのです。

 しかも、①一人で入れて、②リーズナブルであり、③気持を切り替えることができて、
④お腹いっぱい、という4つのセオリーをくぐり抜ける店、というのがあまりない。
 それを満たすものの二つはバーガーキングとマクドナルドです。

 その内の一つにパン屋があります。いや、ありました。
 
 入り易いし、自分で選んでトレーに載せて、飲み物を購入して…というかなり気楽な店。

 ここのパンは季節ごとにかなり入れ替わり、その内のパン2種とサンドイッチ1種が、
ドリンクとセットになります。
 しかも季節限定なので、ちょっと興味をそそられて試してみたくなる。
 今回はイチゴパンとぶたまんパン、あとよくわからないサンドイッチです。
 でも、ここのサンドイッチはビニールでラッピングされるので、いつもパンが
べちょべちょなので、食べないことにしています。

 私はイチゴパンを食べる事にしました。
 そして、もう一つパンを選んでカウンターに持っていったのです。
 すると、パン屋のお姉さんがレジを打ち始めました。そのレジをよく見ていると、
「ぶたまんパンセット」という表示が出たのです。そしてお姉さんが「682円
(みたいな感じ)です」と言いました。

 まぁ、確かに私が選んだもう一つのパンは、ぶたまんパンと見かけが似てはいました。
 そして、私がぶたまんパンをいかにも食べそうな奴だと思われがちな人間であることも
考慮しました。でも、違うので「違います」と言ったのです。
 お姉さんは、すみませんと言ってレジを打ち直しました。
 そして「947円(みたいな感じ)です!」と言われました。
 なんだか高いなぁ、と思いつつもレシートが出ないことには内訳も分からないので
とりあえず払いました。

 レシートを見ると、イチゴパンがダブルで打ち込まれています。
 イチゴパンは一つしか頼んでません、と言ってみました。
 すると、お姉さんは困惑して、もう一人のレジの男性に何やら相談をして、
全ての商品を打ち直すことにしたようです。
 それはそれは、すっごく時間がかかりました。
 
 それで終わった頃に彼女のところにいき、申し訳なかったなぁ、なんだか、
と思いつつ「すみませんでしたね、なんか…」とちょっと照れながら言ったら…

 「はい」と言って、お金を渡されました。

 だから、私はもうそのパン屋には行かない方向で生きていく決意を固めたのです。
 別に腹が立った訳じゃないのです。
 ただ、ちょっと照れながら言ったのにな、と思うと哀しかったからなのです。
# by hollysplings | 2011-01-26 11:45
酔いどれたちの小さな革命
 「パンがなければケーキを食べればいいのに」と言ったのはマリー・アントワネットで、
革命について思う時にいつもその言葉を思い出します。彼女が税の限りを尽くして見栄を
張っていた頃に、ベルサイユ宮殿の外では沢山の人が、苦しんでいたのを知ることすら
なかったことを。
 革命というのは弱者が苦しみの中から、血を流して無理解なものを打ち倒す、という
悲壮感たっぷりのドラマであり、だからベル薔薇は長くて感動的なのに違いない。うん。

 『ハングオーバー』を岸野君がすごく面白かったというので、観ました。
 トム・ハンクスの『独身SA・YO・NA・RA バチェラーパーティー』という映画を
思い出しました。
 まだトム・ハンクスが大御所には程遠い時代の映画で、どんちゃん騒ぎをするだけ。
(だってそれはトム・ハンクス演じる主人公のバチェラーパーティーなのだから)
 私はその映画を高校生の時に12chで昼間にやっていたのを観たのです。
 それは面白かったけれど、時には理解不能なくらいの騒ぎっぷりに、少々不安を覚えた
気がします。アメリカ人の桁違いのハイテンションはいつも、ちょっとした恐怖を感じて
しまうのです。

 『ハングオーバー』はまるで古い映画の焼き直しのように思えそうな所を、大きく変えて
いるのは、その狂騒の数日間を通過した後に、映画の中の人々の人生がほんの僅かであっても、
前とは違う物になっていってしまうところ。そこがすごく素敵でした。

 あ、そうだな、これって革命なんだ。本当に些細な事で誰も血を流さなくても(面白おかし
く流してはいたけれど)革命って立派に成立する。知らない内に起こって、達成される革命
だってちゃんと存在するのですね。
 そういうのってすごくワクワクします。大げさな革命ばかりが革命じゃないんだ、と思うと
なんだか楽しくなってきます。

 Don't you know what it's gonna be alright.
# by hollysplings | 2011-01-19 12:39
お汁粉新時代
私はアンコが嫌いなのです。和菓子って全く興味が持てません。
きな粉はともかく、アンコとなると…。ね。

でも、昨日お汁粉を食べました。鏡開きだったから。

その前の日にはhollysplingsメンバーで、夜に近くの神社に初詣に行きました。
ここ5年くらい、毎年行っているのです。意外と古風ですね。
その帰りにコンビニに寄って、岸野君がカラアゲを買いました。例のやつです。
私ともう一人は2人で1本の、ワンカップ大関の甘酒を買いました。
なぜなら、ものすごく寒かったのです。
その後、3人でこたつに入って温まりながら飲みました。

そしてね、私は甘酒も決して好きじゃなかったのです。
ここ数年です、飲むようになったのは。
お汁粉だって好きじゃないはずなのだけれどなぁ。

そうですね。
これって歳をとりつつある、っていう事じゃないの?と思いました。
CDだって、幻の1枚目の頃の声に比べると、最新作の5枚目なんて
出せなかったような低音になっているしね。

でも、まぁいいんじゃないかな?と思います。
だって、hollysplingsひとつ取ったって、MTRだって性能が格段によくなって、
岸野君の腕だって格段にあがっているじゃないか。

あぁ、そうか。歳をとるっていうのは、成長するってことなんだな。
お汁粉と甘酒が美味しくなるってだけじゃないのです、多分。

どうせなら、いい成長をしたいですね。
ぼちぼち頑張ろうじゃないか、とお汁粉と甘酒に誓おうじゃないか。
いやいや、まぁなんとなく、ね。
# by hollysplings | 2011-01-12 13:41
FENで英語を覚えた偉人
あけましておめでとうございます。

あまりにもひっそりとholly splingsの5枚目のCDが完成しましたね。
ひっそりとしすぎていて、みんなにうっかり見過ごされてしまうだろう、
というのが、holly splingsの良いところなのです。多分。

年越しにBS朝日のベストヒットUSAの特番を録画しておいたのを、
年が明けてから見ましたが、30年目に突入だそうで。
何が一番変わったか、っていうと、そりゃ小林克也さんが一番
変貌を遂げていましたね。髪型といい、顔といい。

お宝映像的に差し挟まれる来日ミュージシャンのインタビューでは
80年代に活躍していた外国人に、しきりに「なぜベジタリアンなんだい?」
と質問している場面が、無駄に長く、かつ2回(違う人)も流れていました。
なんだってそんなにベジタリアンであることに興味があるんだい、克也よ?
と問いかけたい気持でいっぱいになりました。
彼らの答えは一様に、「肉を食べるなんて残酷!」というもので、
一人の人なんか「魚を食べてるベジタリアンはインチキよ!」と叫んでいました。
まぁ、私に知識がないこともあり、全く知らないその妙な格好をした外国人達は
かなり奇妙な感じがしたりしてね。

そういえば海外ドラマ「フレンズ」の中で唯一のベジタリアンは
超変わり者のフィービー・ブッフェだったなぁ、と今思い出しました。

そうか。克也さんはきっと、彼らの風変りな一面をアピールするのに
最適な質問をしていたのだ。
さすがは30年目のベテランDJだなぁ。これからも頑張って下さい。

いや、まぁそんなことはどうでもよいのです。
今年もよろしくお願いします。
# by hollysplings | 2011-01-05 22:10


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