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hIGHWAY 61 REVISITED vol.8
「一体なんのつもり?」キルスティンはそう言って男を睨んだ。
「黙ってろ」隣に乗った男が銃口をこちらに向け、そう言った。
キルスティンは目をつむって思った。ムネスは無事うちに帰ったかしら。。。

「おじさん左!」「わかってる!おい!どけ!ババア!死にたいのか!」
僕らは騒々しくわめき散らしながら車を走らせた。
そして少しづつキルスティンを乗せた車とその差をつめていた。
おじさんが「代われ!」と僕にハンドルを持たせ窓から見を乗り出し拳銃をぶっ放した。
一発目の弾が車のバックバンパーに当たり、『オレのケツを掘ってみろオカマ野郎』と
書かれたバンパーステッカーを吹っ飛ばした。
「おじさん!キルスティンが乗ってるんだぞ!」「大丈夫だ!!」
前の車から男達が撃ってきた。僕は車を左へ右へ蛇行させながら追走した。
「横へつけろ!」おじさんが行ったので僕は思いっきりアクセルを踏んで車の右に出た。
車の中でキルスティンが目を見開いていた。「ムネス!!!」
おじさんは狙いを定めて銃をぶっ放した。弾がタイヤに当たった。
車はクルクルと回り壁にぶつかって動かなくなった。
「おじさんやった!!」僕はおじさんに向かって叫んだ。そして前を向くと一匹の犬が
歩道にたたずんでいた。僕はハンドルを切った、車はそのまま壁に水道ポンプに激突した。

クラクションの音が絶え間なく鳴り続けていた。
僕は犬の顔に見覚えがあった。あの犬、どっかで見た事が、、、あぁそうだ、あの犬、町外れ
のチキンのマクフライと仲が良いドクとか呼ばれてる変態科学者が飼っている犬だ。
名前はなんってったかな、あぁ、そうだ、アインシュタインとかいうんだったかな。。。
しかしあのジジイなんで放し飼いにしてるん。。。。だ。。。
僕はそのまま気絶した。

目を開けるとノニーがいた。
「あら、気がついたのね。お母さん呼んでくるわ、ちょっと待ってて。お母さん!!目を
覚ましたわよ」ノニーは走って部屋を出て行った。
ノニーが座っていた椅子には作りかけのキルトがおいてあった。
一体なにがどうなったんだ?僕は、そうだ、アインシュタインとかいう犬を避けて、どっかに
ぶつかって、そうだ!キルスティンは!!

その時部屋の入り口にキルスティンが現れた。
「ムネス、ごめんなさい。私のせいで」キルスティンは泣きながらベッドサイドへ近づいてきた。
「大丈夫だったのかい?」僕がゆっくりと聴くと「うん、あの後すぐおじさんのロバートが
私の乗った車まで来て男達をやっつけて助けてくれたの」と言った。
「おじさんは大丈夫だったんだ」僕が言うと「とんだタフガイね、あのおじさん、なんでも
肋骨を3本折ってたらしいわよ、まるでアイアンマンだわ」そういってキルスティンは
ちょっと笑った。そして少し悲しそうな顔をして「どうして私を追いかけてきたの?」と聴いた。
僕が「それは、、、それは君が、」というとその時部屋に母さんが入ってきた。
そして重戦車のように僕に抱きついて「良かったわ、ムネス」と言った。
「痛いよ、母さん」
「まったく、ロバートったらムネスをこんな危険な目に遭わせて、当分家へは出入り禁止よ」
その時ドアを開けてすっとキルスティンが出て行くのが見えた。僕が「あ」と言う間もなく
キルスティンは行ってしまった。

幸い僕の怪我はたいした事がなく、一週間ほどして退院した。
僕は退院したその日、グロリアへ行ってみた。
店に入って辺りを見渡し、キルスティンを探したが、キルスティンの姿はどこにも無かった。
バーテンのトニーに尋ねると「あぁ、キルスティンね、あんな事があったからジーナの親戚
のところへ行かされたようだよ。」僕が「それどこなの?」と聴くとトニーは「それは
言えないし、聴いちゃ駄目」と言った。
「そんな、、、」僕はそう言って店を出た。

僕は一人とぼとぼ歩いていた。ふと気づくとジョーズジェラートの前まで来ていたので
チョコミントのアイスクリームを注文した。ジョーは僕に気がつくと「行っちまったんだろ?」
と言った。僕は「あぁ」と言ってポケットから1ドル札を出した。
ジョーは「いらねぇよ、今日はサービスだ」そう言ってチョコミントの上にクッキークリーム
を乗せて僕に渡した。そしてジョーは店の奥に消えて行った。

僕はその場に一人座ってアイスクリームを食べた。
クソみたいに甘いアイスクリームがその日はほろ苦く感じた。
by hollysplings | 2009-05-27 19:01
HIGHWAY 61 REVISITED vol.7
「キルスティン?キルスティンじゃないか、一体何やってんだよ、こんなところで。」
「やだ、ムネス。あなたこそ何やってんの?」
僕はえ、あ、と口ごもってから「おじさんに連れて来られたんだよ」と言った。
「おじさんって、あぁロバートね、彼毎週来てるわよ」
「毎週って君いつもここにいるのかい?」僕がそう聴くとキルスティンは飽きれた顔で
「ま、学校が無い時はね、学校なんかよりここの方がよっぽど勉強になるわよ」と言った。
「まぁそりゃそうかもしれないけど、それにしたってビックリだな、まさか君がその、
なんていうかこんな風にさ、うん。」
と言うとキルスティンは心外だって顔をして「ちょっとやめてよ、なんか勘違いしてない?
私は体売ったり、ヤクをやったりはしてないわ、ただ一杯奢ってもらって話聴くだけよ。」
と言い、トニーにウォッカを注文しグラスを僕のバドへカチンと当てて「チアーズ」と言った。

「私んちこの近くなの、この"グロリア"って店は叔母(ジーナ・ローランズ)が経営してるの。
叔母は女がてらにこの辺をしきってるゴッドマザーよ。だから私になんか危ない事なんて起きる
はずがないのよ」キルスティンはそう言ってウォッカを一息に飲み干し、トニーに「アナザー
ワン」と言った。

僕はキルスティンの意外な一面に驚いていた。ハイスクールでは特に目立つ方ではないが、
機転の利く受け答えと、自由な性格で陰ながら思いを寄せている男子も結構いるという。
トビーなんかは一時完全にまいっちまっていて「オレがスパイダーマンだったら飛んでいく
んだけどな」とわけのわからない事を言っていた。

「ねぇ、ちょっと外出ない?この先に美味しいジェラートの店があるの。私アイスクリーム
食べたくなっちゃった」キルスティンはそう言って僕のスタジャンを引っ張って僕を外へ
連れ出した。外へ出るとすぐ目の前におじさんのフォードが置いてあった。
僕はキルスティンにちょっと待っててと言い、おじさんのフォードに25セントコインで
『ファック野郎』と傷をつけてやった。「いいの?」とキルスティンが言った。
僕は「あぁ、きっと誰だかわかりゃしない」と言ってキルスティンの後を歩いてジェラート屋
へ向かった。

ジョーズジェラートはすぐ近くにあった。店主のジョー(ジョー・ペシ)は「キルスティン
今日も綺麗だね」と言ってジェラートを二つ僕らに渡した。ジョーは背が小さいのでカウンター
越しにジェラートを渡すのに苦労していた。

僕らは店先でジェラートを食べながら話をした。こりゃまるでデートみたいじゃないかと僕は
思いながらキルスティンとお互いの事について色々話していた。

するとその時一台の車が猛スピードでやってくると店の前でキキーっといって止まり、中から
全身黒尽くめ男達が拳銃を持って出てきた。そして「つべこべ言わせないぞ、さぁ乗れ」と
言った。キルスティンは「私がジーナの姪だって知っててやってるの」と言った。
男は「知ってるからやってるんだ、さぁ乗れ」と言った。
僕が「お、おい、お前らなんだってんだ、やめろ」と言うと、キルスティンは「いいの、
ムネス、あなたはもう家に帰って。今日は楽しかったわ」と言って男と一緒に車に乗り込んだ。
車は来た時と同じように猛スピードでその場を立ち去った。
店からジョーが出てきて「こりゃあ大変だ、ジーナさんに知らせなきゃ」と言った。

僕はどうしていいかわからず、その場で戸惑っていた。このまま、帰るなんて出来ない。
そんな事は絶対に出来ない、僕はそう思って走り出した。どこへ行っていいかわからずに。
するとその時後ろからおじさんのフォードが走ってきた。
「ムネス乗れ!」おじさんはそう言ってドアを開けた。僕は車に飛び乗って「おじさん
大変だ、キルスティンが!」と言った。おじさんは「わかってる、オレがただ遊びにあそこ
へ行ったと思ってんのか!?クソッ、誰かがボンネットに"ファック野郎"なんて傷つけ
やがった。見つけたら逮捕してやる!」そう言って車を走らせた。

僕は何も言わず前方を見つめた。キルスティンをさらった黒い車が2ブロック先を左に
曲がった。「おじさん左だ!」僕はそう言ってこの先何が起ってもビビらないぞと心に誓った。
by hollysplings | 2009-05-22 15:05
HIGHWAY 61 REVISITED vol.6
朝8時に家の裏口でおじさんを待っていると時間ちょうどにおじさんのフォードが
やってきた。僕は後ろの席に乗り、窓を開けて過ぎ行く朝の風景を眺めていた。
「いいかカウボーイ、今日は社会勉強だ。せいぜい頑張れよ」
僕はオーケイと行ってまた窓の外を眺めた。いつもの町も警官の車の中から見ると違って
みえた。みんな行儀良く座り直しているような感じだ。それは格別な気分だった。
車はそのまま町の南方面に走って行った。

町の南方面はとても柄が悪く、男はみな股間に拳銃を2つもっているって話だ。
いつもならびびっていたが、この車の中にいれば僕は無敵だ、そう思っていた。
その時車が止まった。
おじさんがシートベルトを外して僕に「出ろ」と言った。僕が「出ろって、こんな危ない
ところで」と言うとおじさんはニヤッと笑って「社会勉強だって言っただろ?」と言った。
おじさんは車を出てレイバンのサングラスをすると「行くぞ」と言ってツカツカ歩いて
行った。僕はおじさんの後を辺りを伺うサバンナのシマウマのように着いて行った。
おじさんはバーの前で立ち止まると「準備は良いかカウボーイ?」と言って店の扉を
開けた。僕は「え、ちょっと待ってよ」と言っておじさんの後を追った。

薄暗い店内にはまだ昼間だというのにいっぱいの人がいた。タバコの煙と酒の匂い、
そして僕のまだ知らない危険な、だが、魅力的な匂いが充満していた。
おじさんはドンドン奥に進んで行く、僕はおじさんに近づきヒソヒソ声で「ねぇおじさん
何かの裏取引を抑えるとかそういうのなのかい?」と聴いた。
するとおじさんはキョトンとした顔で「何言ってんだお前?こういうところではパーッと
遊ぶに限るんだぜ!」そう言ってすれ違いざまにウェイトレスの尻をムズっと掴み、
「さぁお前も牛を追えカウボーイ!!イヤッホー!!!」と言って奥へ消えて行った。
そして振り返り「そもそもオレは今日非番だ、悪いか?」と言った。
僕はその場に取り残され、途方に暮れていた。

完全に騙された、というか勘違いしていた。僕はそう思って帰ろうかと思ったが、
カウボーイには馬がなかった。仕方が無いのでカウンターに座ってコークを注文しようと
思ったが、なんとなくバドワイザーを頼んだ。

僕が一人でバドを飲んでいると何人かの女が近寄ってきては「坊や、一杯奢ってよ」と
言った。僕はその度に追いやった。一体全体なんだってんだと僕が思っていると
アジア系のバーテンの男が寄ってきて「もう一杯飲むかい?」と聴いてきた。
僕は「頼む」と言い、バドを飲み続けた。バーテンは僕ににっこり微笑むと「ロバート
さんとは知り合いですか?」と聴いた。僕は「あぁあんな奴知らない」と言った。
バーテンはトニー(トニー・レオン)と名乗った。中国系アメリカ人で趣味はジグソー
パズルだと言った。トニーは少し話した後僕に「なんなら仕事の後どうだい?」と言って
ウインクをした。僕は「消えろ」と言った。トニーが悪態をつきながら向こうの客の方へ
行くと、また女が「一杯奢ってよ」と言ってきた。
僕は「いい加減にしろ!」と言って振り向いた。

そこにいたのは同級生のキルスティン(キルスティン・ダンスト)だった。
僕らは口をあんぐりと開けてお互いを見つめ合っていた。

遠くでおじさんの「どうだオレの44マグナムは!?Make My Day!!」という声が聞こえた。
by hollysplings | 2009-05-21 01:06
HIGHWAY 61 REVISITED vol.5
家に帰って玄関を開けると兄貴のクリスが飛びついて抱きついてきた。
「やったぞ!やった!上手くいったぞ!」兄貴は興奮して僕にキスをした。
「やめろってきたねぇな、なんだってんだよ」と僕が聴くと
「上手くいったんだよ、スカーレット、デートしてくれるってさ、お前のおかげだよ」
兄貴はそう言ってヤッホーイ!と奇声をあげ、自分の部屋に戻っていった。
僕はそうかい、そりゃ良かった、だがあの女がビッチだって(既にそう思うようになっていた
自分に驚いた)いう事がわかった時の兄貴が心配だなと思ったが、良い子ちゃんの兄貴には
良い薬かなとも思った。

そんな事を考えながら居間を通り過ぎようとすると柱の影からサッと人が現れて僕の
股間をグッと掴んだ。僕がうわぁっ!と声をあげると、その人は「ハッハッハ、
やってるか?カウボーイ」と言った。おじさん(ロバート・ダウニー・Jr)だった。
「ちょっと、おじさんその挨拶いい加減やめてくれよ」というとおじさんは
「まだまだだな、それじゃ羊も追いかけられないぜ」と言って笑い、居間の父さんの横の
ソファに腰掛けてビール片手にこっちへ来いと僕を手招いた。

おじさんのロバートは刑事で、この町の安全を守っている。らしい。
よく家に来ては父さんとビールを飲みながら楽しそうに野球を見て、そして大体
グデグデになると「お前も刑事になれ」という。

「おいムネス、こんな時間まで何してんだお前は?」おじさんは酒臭い息を僕に吹きかけた。
「バイトだよ、バイト。ハイウェイ沿いのガスステーションだよ、知ってるだろ?」
「あぁそうだった。あそこだな。そうだ、あそこのあれ、なんってったかな、エディとかいう
黒人、あいつはまずいぞ、ヤク中だ。」
僕はハハハと笑って目の前にあったピーナッツを一粒かじった。
「ところでお前、明日暇なんだろ?」
僕は暇だったが「いや、忙しいよ」と嘘をついた。
「駄目だ、どうせやる事ってったらブランジェリーナでアホたれアシュトンと女のケツの
素晴らしさについてあーだこーだ言うだけだろ?」おじさんがそう言うと母さんが
「ちょっとロバート!家で汚い言葉は謹んでちょうだい!」と言った。
おじさんは「わかりましたでございます、お姉様、失礼おばいたしました。」と言って
僕の肩に手を回しヒソヒソ声で話した。
「さっき兄さんと話したんだがな、明日のパトロールにお前を連れてってやる、社会勉強だ」
「えぇ!それマジかよ、おじさんそりゃ最高だ!」
「明日朝8時に迎えにくるからな、姉さんにバレるとうるさいからお前裏口で待っとけ」
おじさんはそう言ってビールを飲み干した。
僕は「オッケー、8時だね」と言って居間から出た。母さんが「何2人でヒソヒソやって
んのよ」と言うとおじさんが「これは申し訳ありません、お姉様、2人でオペラについて
語っていたのであります」と言った。母さんはフン、と言ってキッチンへ消えた。

部屋に入った僕は興奮してバンバンと拳銃を撃つ真似事をした。
刑事のパトロールについていけるなんてクールだ。
とは言っても実際は車に乗ってくるくる町を回るだけだろうが。
それでも僕は興奮していた。おかげでその夜はなかなか寝付けなかったが気がつくと
夢を見ていた。夢の中の僕は44マグナムを犯人に向け、こう言った。

Make My Day(なぁ、オレを楽しませてくれ)
by hollysplings | 2009-05-20 00:09
HIGHWAY 61 REVISITED vol.4
気持ちの良い夜だった。
バイトの帰り、僕はいつもの店"ブランジェリーナ"へ寄ってみた。
だが店はガランとしていた。今日はみんな来てないようだった。

僕が席につくとアンジーがやってきて「今日はお仲間がいなくて寂しいわね」と
言った。僕は「そんな日もあるさ」と言ってペプシとチーズバーガーを注文した。
僕は暗い窓の外を眺めながら、スカーレットの事を考えていた。こんな日はアイツら
がいない方がいい。今日の話をアイツらにしたらきっとなんか勘ぐられるに決まっている。
特にトビー。あいつは黙ってクロスワードばかりやってるが、その裏では注意をあっち
こっちに張り巡らして人の話を聴いている。そう、クモの巣みたいに。

そんな事をボケッと考えていたらアンジーがチーズバーガーとペプシを持ってきた。
僕が「暇そうだな」と言うと、アンジーは「そうね、みんな死んじまったのかと思って
祝杯を上げようと思ってたところよ」と言って向いの席に座った。
「仕事はいいのかい?」と聴くとアンジーは「私の仕事は葬儀屋じゃないわ」と言って
タバコにマッチで火を点けた。
僕は黙ってチーズバーガーを食べた。そしてスカーレットの事をアンジーに言おうか
考えていた。アンジーならアイツらには言わなそうだし、スカーレットの事も知らない、
そして何より、僕は"その話がしたかった"のだ。

僕は「なぁアンジー」と言ってスカーレットの事を話始めた。
アンジーは話の最中ずっとタバコを吸っていた。
「で、どう思う?」話終わって僕はアンジーに聴いてみた。
アンジーはうつむいて神妙な顔つきで何かを考えているようだった、と思ったらクククと
笑い出し、しまいには椅子の上で足をバタバタさせて大笑いした。
僕が「なんだよ」と言うとアンジーは「アンタ最高ね、チャーリー・ブラウンみたいに
最高よアンタ」と笑い、「それで私に何を言ってほしいわけ?きっとその女はアンタに
気があるわ、リチャード・ギアみたいに抱きしめてキスしてやれって言ってほしいわけ?」
と言った。僕はムカッときて「そんなんじゃねぇよ」と言った。が、図星だった。
アンジーは笑いすぎてヒューヒュー息切れしながら「いい?その女は間違いなくただの
ビッチよ。尻が軽いの。クリームソーダの上のアイスクリームみたいにいつだって真っ白い
尻をプカプカ浮かばせてんのよ」と言った。
僕は頭にきて「スカーレットはそんなんじゃねぇよ、なんでそんなのわかるんだよ、第一
オマエだってビッチじゃないか?」と言った。
そして言った瞬間そんな自分の言葉に凄く気分が悪くなった。
アンジーは笑うのをやめた。そしてタバコの吸い殻を僕の飲み終わったペプシのグラスに
投げ捨て、「私もビッチだからよ」と言った。
僕は「ごめん」と言った。アンジーはフフフと笑って席を立った。そしてもうフロアには
出てこなかった。
僕は10ドル札を一枚テーブルに置き、ブランジェリーナを出た。

そして家に帰った。
by hollysplings | 2009-05-19 00:01
HIGHWAY 61 REVISITED vol.3
ディアー スカーレット。
いきなりの手紙失礼に思う。
僕は君にカフェで君に会う度に、僕の気持ちはマフィンのようにフワフワと
膨らんであったかくなっていく。君がコーヒーのおかわりをもって歩いている
姿を見るだけで僕は気持ちがいっぱいになるんだ。
もし君さえ良かったら今度

というところで手紙は終わっていた。
「スカーレット、知ってるだろ?お前と同じ学年だよな?」兄貴は上目遣いに僕を
恥ずかしそうに見ながら言った。
「あぁ、知ってるよ、良い子だ」僕はそう言って、兄貴に手紙を押し付け「ライバル
は多いぞ、せいぜい頑張んなブラザー」と言った。
「そうか!ありがとう!応援してくれよ」と兄貴は言って手紙を大事そうに胸の前で
握っていた。僕はそのまま部屋を出た。さっきみたスカーレットとヒューの事は兄貴には
言えなかった。それが兄弟愛っていうやつだ。そうだろう?

僕は部屋に入り、ボブ・ディランの『ハードレイン』を聴きながらベッドに横たわった。
激しい雨が降る。色と言っても黒だけで、数と言ってもゼロしか存在しない世界。。。

僕はそのまま眠りに落ちた。

爆弾が降ってきたと思って目を開けると妹のクリスティーナ(クリスティーナ・リッチ)だった。
僕のベッドの上にどすんと乗っかってきたのだ。「お兄ちゃん今日バイトじゃないの?」
僕はベッドの脇の時計を見た、ギリギリ間に合いそうな時間だった。
僕はそのまま部屋を出た。後ろでクリスティーナが「なんか今日クリス兄ちゃんが勝負だって
はりきってたよ!」と言った。僕はクリスティーナに「そうか、兄貴にせいぜい気張れって
いっといて」と言った。クリスティーナは「"気張れ"ってなあに?」と言った。
「あら、朝食は?」と母さんが下で聴いた。「間に合いそうもないから行くよ」と言って
僕は家を出た。

SCHWINNの自転車にまたがって僕はバイト先へ猛スピードで向かった。61号線沿いにある
ガスステーション”TEXACO”だ。途中銀色のTバードに激しくクラクションを鳴らされたが、
僕が悪態を付く暇もなくそのTバードは視界から消えていった。

ガスステーションにつくと、同僚のエディ(エディ・マーフィー)が器具を拭いていた。
「ヘイヘイ!遅刻だぜ!嫌になっちまうな!48時間も遅刻だぜ!」エディはそういって
笑った。僕はうるせえと言い、事務所に入った。店長(ノリユキ・パット・モリタ)にちょっと
小言を言われるくらいのもんだと思っていたが、事務所に入ると店長はイソイソと何か身支度を
していた。
僕も制服に着替えながらこりゃ、小言もなさそうだなと思っていると、店長が「おい、今日は
オレは一日出てるからお前ら2人でなんとかやっとけよ」と言った。
僕が「え?何なんすか?珍しいですね」と言うと「今日は弟子の空手の大会なんだよ」と店長
は言い、イソイソと出て行った。部屋を出る間際僕を指差し「チョコバーをくすねるなよ!」
と言った。
事務所を出た僕はエディに「なぁ店長って空手強いのか?」と聴いた。
エディは「おいおい、まさかね、あのジジイが空手の先生っつーんなら、オレは星の王子様だぜ」
と言ってハッハッハと笑った。

その日客はほとんど来なかった。大体がセルフでガソリンを入れてブーンとどっかに行って
しまう。僕は一日売店の椅子に座ってポルノ雑誌を読みながら店長に禁じられていたチョコ
バーをバクバク食べていた。エディは一日中「オレ、最近動物と話せるんだ」と言っていた。
ヤクのやりすぎだな、と僕は思った。

その時一台の車が砂煙をあげてステーションに入ってきた。銀色のTバード。今朝のやつだ。
僕は一体どんなやつだ?と思って窓の外を見ていた。すると中から出てきたのはヒューだった。
ヒューはTバードのガソリンを入れていた。すると助手席から女が出てきた。
スカーレットだった。

スカーレットは赤いパンプスをコツコツいわせながら売店に入ってきた。
そして店に入ってすぐ僕を見つけ「あら」と言った。
そのまま店をくるりと回って炭酸水とフリスクを持ってレジに近づいてきた。
僕は何も言わずレジを打ち、「3ドル70セント」と言った、
スカーレットはフフフと笑って、「ここでバイトしてるんだね」と言った。
僕は「あぁ」と言った。そして「炭酸水好きなのかい?」と聴いた。でもそんな事よりも
聴きたい事があった。そして意を決して聴いてみた。

「なぁ、あれ、体育のヒューだろ?もしかして君たち付き合ってんのかい?」
するとスカーレットはグッとこちらに顔を近づけて「止めてよ、あんな筋肉男。一回
食事に付き合ってあげたらその後しつこくて、もうサイッテー。断ったら単位がどうなるか
わかんないしね、困ってんのよ、ねぇ、なんか良い案ない?」と言った。
僕は「あ、あぁそうなんだ。あぁ…、そうだな、ケツを蹴り上げてやればいいんじゃない?」
と言った。スカーレットはケタケタ笑って「それサイッコー」と言った。
その時外からクラクションが聴こえた。それは腹をくだしている最中の屁みたいにむかつく
耳障りな警告音のように聴こえた。
スカーレットは行かなきゃと言った。そしてドアの前で立ち止まり、少し考えるように
してから、「今度本当に相談に乗ってよ、連絡するからね」と言って去って行った。
2人の乗った車はそのまま砂煙をあげて着たときと同じように帰っていった。

僕は再び椅子に座ってチョコバーをかじった。エディが「おい、良い女だな?知り合いか?」
と言った。僕は「おいエディ、オレも今そこの鳥が何言ってるかわかるぜ」と言って窓の外の
屋根に止まって鳴いている鳥たちを見た。「アイツらはサイッコーと言ってるぜ」
エディは不思議そうな顔をして「いや、男ってクソバカだなって言ってるぜ」と言った。
僕はチョコバーをエディに投げた。エディは腹を抱えて笑った。
by hollysplings | 2009-05-16 19:19
HIGHWAY 61 REVISITED vol.2
スカーレットと僕は昨年の科学のクラスの発表でひょんな事から一緒になった。
それまで人気者の彼女とは口もきいた事もなかったが、派手な外見からは想像も
出来ない真面目さで発表に取り組む彼女の意外な一面に僕はぞっこんになって
しまったってわけだ。
その後クラスが分かれても彼女とは廊下ですれ違うと「ハーイ」と挨拶をして少し
会話をする。たったそれだけの事でも相手は学園のマドンナ、アシュトンなんかは
いつも喜んで冷やかしてくる。僕は「何もねぇよ」と言い、その言葉に"あきらめ"と
"分不相応"と"希望"という複雑な響きを感じていた。

今ではそれも"あきらめ"と"分不相応"と"クソッタレ"になったわけだ。
よりにもよって年がら年中僕らのケツをカウボーイよろしく、ご自慢の笛で追い回す
クソッタレ・ヒューが相手とは。。。
「つまんねぇな、帰ろうぜ」僕はそう言ってスタジャンを羽織った。みんなも面白く
ないのだろう、ブツブツ言いながらそれぞれ帰り支度を始めた。

皿を下げにきたアンジーが「あら、今日は早いのね、ママのオッパイの時間かしら?」
と言った。僕らは何も言わず中指を立てて店を出た。

家に帰ると父さん(ハーヴェイ・カイテル)がいつものようにバドを飲みながら野球中継
を見ていた。メッツVSホワイトソックス。父さんは大のメッツファンだ。
「今日はどうだい?」と僕が聞くと「このマツザカとかいうジャパニーズがよぉ、、」
とぼやいていた。どうやら0点に抑えられているらしい。
「母さんは?」と聞くと親父は画面を見つめたまま「ビンゴ」と言った。
母さん(キャシー・ベイツ)は土曜の夜はいつも近所のオバさん連中とビンゴ大会に
行っている。いつか景品でもらってきたトースターはあっという間に壊れた。どうせ
ガラクタばっかりだろ、というのは父さんの口癖だ。

部屋に戻ろうとすると洗濯物を抱えて通りかかった姉のノニー(ウィノナ・ライダー)が
「ちょっと、ソックスは裏返したまま洗濯に出さないでって言ったでしょ!」と怒鳴った。
僕は、ハイハイと言って通りすぎた。その向こうから「ソックスの話はするな!!」と
父さんの声が聞こえた。

自分の部屋に入る前に兄貴(クリス・オドネル)の部屋に入った。
ノックをせずに突然入ると兄貴は机に向かって真剣に書いていた何かをとっさに
引き出しに隠し「ヘイ!ノックしろよな」と言った。僕は「おぉ?兄貴何隠してんのよ、
プレイボーイ?」と言って兄貴の引き出しに手をかけた。「おい、止めろよ、止めろって!」
と言う兄貴を無視し、強引に引き出しを開けたらプレイボーイではなく一枚の便せん
だった。兄貴は「おい返せよ、返せったら!」と言ったが、僕はその手紙を読んだ。
書き出しはこうだった。

ディアー・スカーレット。

つづく。
by hollysplings | 2009-05-14 23:44
リアルな2人
久しぶりに書いてみようと思っていたら、なんと、久しぶりのリーダーが
下らない妄想を楽しそうに綴っています。
この妄想、結構長い時間、語られた事があります。ディテールまで同じです。

因みに、私にも同じようなシチュエーション妄想があります。
それはまたの機会で。

ところで、5月12日はみんなの大好きな、エミリオ・エステヴェスさんの誕生日でした。
エステベスじゃないんですね、家のカレンダーでは。

昔、エミリオ・エステベスが大好きな女の子がいて、
彼女はホリスプメンバー全員が働いていた、ビデオ屋のバイトの子でした。
その話をリーダーのK君と想い出的に話ながら笑っていました。
彼女はまた、ジェームス・スペイダーのファンでもあります。

リアルすぎるチョイスだよね、と言って笑っているうちに、
私はK君に言いました。
「君もリアルな人ばかり、好きだと言うよね」と。
彼は、キルスティン・ダンストがいいと言うのです。
他にも、名だたるハリウッド女優の好みが全部リアルなのです。
ヘップバーンよりもバーグマン、というタイプです。
気持悪いね、と言ったら、「人の事は言えないだろ?」と憤慨されました。
振り返ってみると、人の事は言えないくらいリアルでした。

自分の中で一番リアルな好みの俳優は、ジョヴァンニ・リビシだな、と思います。
次が、セス・グリーンです。
興味のある方は、ぜひ調べてみて下さい。
もう一人、イーサン・エンブリーもかなり気に入っています。
彼もリアルですね。

私たちの共通の友人には、サンドラ・ブロックが好きだ、という奴がいます。
因みに、サンドラ・ブロックはアメリカ人が一番好きな女優だというのを
何かで見た事があります。ネルシャツが一番似合う、ハリウッド女優であることは
周知の事実ですが、アメリカ人は好みがリアルなのですね、意外と。

ジェームス・スペイダーの事を考えると、いつも辿り着く想い出が一つあります。

高校生のとき、私はお小遣いを全部、映画につぎ込んでいました。
毎月、二本立ての映画を何回見に行けるか、計画を立てては一人で足を運んでいました。
映画雑誌もかなり真剣に読んでは、ピアを立ち読みしてチェックをして、
ある時、「バッド・インフルエンス」という映画を発見しました。
横浜の小さな映画館が一カ所だけ流しているような、かなりの小作品です。
学校が引けるとすぐに、私は最終日の最終回の直前に映画館に滑り込みました。

映画が始まる頃から薄々感づいてはいたのですが、観客は私の他には、
大学生くらいの女の人しかいなかったのです。2人だけ。
映画が終わってロビーに出ると、映画館のおじさんが私たちを呼び止めました。
「これ、2人で分けなよ」と言われて差し出していたのは、
その当時、映画館によくあった、プレス用の写真みたいな宣材でした。

4枚くらいあったその写真から、初対面のおねえさんとモジモジしながら
どうします?的な雰囲気で選ぶことにしました。
おねえさんは、恥ずかしそうに「じゃあ、これとこれ」と選びました。

彼女の選ぶものは全て、ジェームス・スペイダーが写っていました。
そう、彼女はジェームス・スペイダーのファンなのです。
私はホッとしました。

なぜなら、私が欲しかったのは、もう一人の方。
そこには全て、ロブ・ロウが写っていたからです。

好みがリアルな人しか見ない映画なのです。多分。
by hollysplings | 2009-05-14 00:01
HIGHWAY 61 REVISITED vol.1
僕らはいつも同じ場所で同じテーブルに座っている。
僕(僕)とお調子者のアシュトン(アシュトン・カッチャー)、根暗のトビー
(トビー・マグワイア)、そして強面だけど心の優しいビン(ビン・ディーゼル)。

その日も僕らは四人でペプシを飲みながらアイスクリームのたっぷりのった
レモンパイにかじりついてバカな話をしていた。

「だからさぁ、あの女はサイッコーなわけよ」
「どこの女だよ?」
「ほら、隣のクラスのチアリーディングのやつだよ、胸のデカイさぁ!」
「お前、あぁいうアホみたいなのがいいわけ?」

アシュトンは笑いながらレモンパイの皿に乗ったアイスクリームをスプーンに乗せて
トビーに投げる。トビーのメガネがアイスクリームまみれになる。
トビーが「これじゃあクロスワードの縦のキーが見えないじゃないか」というと皆
大爆笑になる。

その時ツカツカとウェイトレスのアンジー(アンジェリーナ・ジョリー)が
近寄ってきて「あんたらもうちょっと静かに食えないわけ?」と言った。
アシュトンが笑いながら「悪かったよ、お詫びにこれ耳栓、あげる」とビンが食べて
いたフライドポテトを渡した。大爆笑だ。
アンジーがにっこりと笑って「あんたらよっぽど、暇なのね。男ばっかりで。
アソコがひからびて30分後のフライドポテトみたいにならないように気を
つけるのね」と言ったので、「おい?誰か下ネタ注文したのか?」と僕が言うと再び
大爆笑になり、アンジーは飽きれた顔をして首を振り、伝票をテーブルに叩き付け
歩いていった。
アシュトンが「ケチャップはどこだい?ホッホー」と言うと、ビンが「ここにあるよ」
と渡す、僕らは顔を見合わせてまた笑う。

その時トビーが通りの向こうを指差して「おい、あれ見てみろよ」と言った。
通りの向こうには学園の人気者スカーレット(スカーレット・ヨハンソン)となんと
体育教師のヒュー(ヒュー・ジャックマン)がいた。2人は恋人同士のように肩を
寄せ合い、建物の影で何か話していた。

「おいおいおい」とアシュトンがニヤニヤしながら言う。
僕はその時ガラスに映った自分の顔を見てしまった。愕然とした顔ってのはこんな
もんなんだろうと思った。

つづく
by hollysplings | 2009-05-13 13:01


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